恋愛工学徒でありながらなぜか憎みきれないろくでなしであるid:hideyoshi1537が「女くどき飯」的なまとめを書いていた。
わたしは食事をご馳走してもらうのは相互に個人的なやりとりのある相手でないかぎりは糊口をしのぐ余地のないほど貧しいときだと思っているので、「店の問題かよ」とつっこみたくなるが、「そうか、店の問題なんだな」と思う本を最近読んだので紹介したい。
小室友里先生が「3回のデートでベッドインするテクニック」を手取り足取り教えてくれるようです。
小室友里さんは元AV女優だそうで、現在は「男女の性、男女間におけるコミュニケーションについてのお悩みを解消し、あなたの『ベストパートナーになりたい』を応援」といった活動をしていらっしゃる模様。kindleで387円だった。
男性視点のナンパや恋愛工学を女性側からチェックした本だというところに興味を持った。果たして3回デートしたくらいで(それもほぼ飲みながら食事をしただけで)「抱かれてもいい!」と思うようなことがあるのか。
「もったいないな」という思い
前書きにはこうある。
最近、男性と話していて感じるのが、「もったいないな」という思いです。
「もうちょっと、雰囲気を作ってくれれば付いていくのに・・・・・・」
そう感じることが多々あります。
(中略)
そういった悩みを抱える男性のために、会話の基本から、食事の場所、エッチへの誘い方まで、詳しく話していきます。
第1章は、見た目や話し方の改善
第2章は、食事の際の具体的な行動
第3章は、セックスに誘うために使えるテクニック
これらを順序立てて説明していきます。
要するにこれは小室さんの「私だったらこう誘ってほしい!」を明文化した本です。これを実行すれば小室さんといい仲になれるチャンスがある。こういうスタンスは女性向けの婚活本にもあり、筆者の男性は「俺だったらこんな女と結婚したい!」を熱く語る。多くは「甘えるのもたいがいにしろ」といいたくなる内容なのだけれど、小室さんの望みは3度の食事と少しの気遣いなのでそれほど高い要求はない。ように思う。けど、男性はこれどうなのかな?
デートの誘い方、会話のすすめかた、セクシーな雰囲気に持っていく方法など具体的な指南がいろいろあるけれど、ここでは食事の誘い方と店の選び方を紹介したいと思う。
1回目のデート 少しがんばった感のあるレストラン
・大衆居酒屋や安っぽい店を避ける
・逆に女性が緊張するような高すぎる店も避ける
おすすめ
オープンスペースのイタリアン、もしくはフレンチ。カクテルやワインなど女性が頼みやすいお酒があり、関係を意識せず適度にリラックスできる。予算は8000円~1万円
女性が一回り以上年下の場合は高級フレンチで財力をアピールしてもよいが、二回目以降グレードを下げると「無理してたんだ」と思われるので注意
2回目のデート 自分らしさを出せるお店
・行きつけの店。あえて焼き鳥屋などもアリ
・誰を連れて行っても「美味しい!」と言われる自信のある店が大前提
おすすめ
カツ丼、海鮮丼など丼物の美味しい店。予算は初回と同程度。*1*2
丼物で解散するのは味気ないので2件目にスペインバルで陽気に飲む*3
3回目のデート 本気モード
・おしゃれで雰囲気のいいところ
・横並びに座れる席を選び、カップルシートを予約
おすすめ
隠れ家系レストラン
近くに水場があり、高台やビルの高層階など夜景を見下ろせる店
タクシーでホテルに移動しやすい距離
3回目のデートで反応が薄いとき
ボディタッチを拒否されたり、リアクションが薄い場合は脈がない。美味しいものを食べさせてくれる人として財布に惹かれていると認識し、深追いしないこと。この辺が「いやよいやよもすきのうち」という男性指導のナンパ、恋愛工学と違う。具体的には「腰に手を回して拒否されなければOK!」だそうです。小室先生を口説きたい男性は参考になさってください。
ここ福岡にも上記の条件に当てはまる店はあると思う。恋愛工学徒たちは「東京はでっかい無料のソープランドみたいなもの」という藤沢数希のマントラを唱えながら東京23区をいったりきたりしているようだけれど、地方都市や海外在住のみなさんは小室先生のお言葉をヒントに該当する店を探せばいいと思う。
くどき飯が通用する女性
うちの父あたりは今でもこういう情報を真剣に吟味して暗躍しているような気がするけど、これが通用するのは「食事=デート=下心」という図式を共通認識として持っている女性だけなんじゃないかと思う。ナンパと恋愛工学の世界では「そんなの常識」かもしれないけれど、わたしなどは「そんなわけあるか」と長い間思ってきた口だ。だって3回食事したくらいで性病と妊娠の可能性、密室で暴力を受ける可能性が薄れる根拠がえられるとは思えない。
でも世の中には小室先生のように「美味しい食事で雰囲気よく誘ってくれれば喜んで応じるわ」という勇敢な女性もいる。なので最初に見極めるべきはその辺をどう考えているかだろうと思う。ただモテ指南って基本的に会話はひたすら相手のご機嫌取りだから、そんな突っ込んだ話はできない気がするよ。はあちゅうみたいに「年上既婚男性が若い女の子の舌を育てる」とかブログで書いてくれていれば別だけど。
とはいえ世の中にはくどき飯のゲームを楽しむ男性や女性が確かに存在する。そういう人たちは被害者意識を持たずにこういうやりとりに乗れるのかもしれない。食事や服飾美容にお金はかかるけど、それは趣味だからスマホアプリに課金したりフィギュアや漫画を大人買いしたりするのと変わらないのかもしれない。その世界の中では女性は財布を出さなくていいし、男性は食事の誘いに応じた女性はベッドの誘いに応じると考えていい根拠があるのだろう。
「タダ飯おごらされただけでやらせてくれなかった」みたいにいってる人いるけど、たかだか数万の借りで妊娠、性病のリスクを負いたくないだけで、あなたという人間が否定されたわけじゃないかもしれない。その人はただ急流くだりみたいなデンジャラスな競技を好まないだけかもよ。趣味仲間は増やしたくなるものだけど、同好の士を探しなよ。なぜかノンケを口説きたがるよね、こういう人たちって。
小室さんの文章は明快でよく整理されていてさくさく読める。誘ってダメだったときの誤魔化し方、ホテルの部屋に入ったら最初にすること、ベッドイン前にしておきたいことまで小室先生の夢と希望が具体的に書かれていて、kindleかkindleアプリがあればすぐ読めるし、珈琲一杯分のお値段だし、読んで損はない。恋愛工学徒は藤沢数希の教えとの違いや共通点を教えてほしい。
小室先生は酒が入った女性が自分に気があるかどうかを見抜く本も出している。amazonには「これはバーや飲み屋でのテクニックでシラフでの過程が何もない そんなしぐさ見たってそこまで誘えなかったら全く使えない 要らん!」というレビューがあった。この人は先に「3回でベッドイン」を読んだほうがいい。どっちみちよく知らない男性とは酒飲まない女性には使えないけどな。